この記事の要点(2026年10月5日確認)
国民年金第1号被保険者である自営業・フリーランスが対象の育児免除は、要件を満たした日以降速やかに市区町村窓口、マイナポータル、または郵送で届出し、子が1歳になるまで最大12か月間の保険料が免除される制度です(ただし実母が産前産後免除を受けた場合は産前産後免除に続く9か月間)。
- 育児免除で保険料が免除された期間は保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されるため、将来の年金額は減りません。
- 自営業・フリーランスなど第1号被保険者であれば、夫婦ともに育児免除制度の対象になります。
- 要件を満たした日以降、マイナポータル、市区町村窓口、郵送から選んで速やかに届出することが重要です。
- いつ申請する?…子を育てる要件を満たした日以降、速やかに届出します。産前産後免除とあわせて届け出ることもできます。
- 誰が対象?…2026年10月1日以降に1歳未満の子を育てている、国民年金の第1号被保険者(自営業・フリーランス・学生・無職など)の実父母・養父母。所得の条件はなく、夫婦ともに第1号なら2人とも対象です。
- どれだけ免除?…実母(産前産後免除あり)は産前産後免除に続く9か月、実父・養父母などは子を育て始めた月から1歳の誕生日の前月までの最大12か月。
- どこで?…住民登録をしている市区町村の国民年金の窓口(郵送も可)か、マイナポータルの電子申請。
- 免除された月は、保険料を納めたものとして老齢基礎年金の額に反映されます。
2026年(令和8年)10月から、国民年金の「育児期間の保険料免除(育児免除)」が始まりました。会社員なら産休・育休中の厚生年金保険料の免除がありますが、自営業やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者の出産・育児向けの免除は、これまで出産前後の「産前産後免除」だけでした。今回、子が1歳になるまでの育児期間を対象とする免除が新しくできました。
この記事では、日本年金機構の案内をもとに、育児免除の対象者・免除される期間・申請のタイミングと方法・必要書類を、自営業・フリーランスの夫婦の目線で整理します。
国民年金の育児免除とは?2026年10月に始まった制度
日本年金機構によると、育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置として、子を養育する国民年金第1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者、農業者、学生、無職の方等)について、その子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料の納付が免除される制度が、2026(令和8)年10月から始まりました。子を育てている人(実父母・養父母)は、届出をすることで、所得に関係なく保険料が免除されます(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」、2026年10月参照)。
免除された期間は「保険料を納付したものとして」老齢基礎年金の受給額に反映されます。つまり、育児免除の月は将来の年金額が減りません。
育児免除の対象者は?自営業・フリーランス・父親も対象
| 区分 | 育児免除の対象か |
|---|---|
| 第1号被保険者(自営業・フリーランス・農業・学生・無職など)の実父母・養父母 | 対象(夫婦とも第1号なら2人とも対象) |
| 第2号被保険者(会社員・公務員など) | 対象外(厚生年金保険料の産休・育休中の免除を確認) |
| 第3号被保険者(第2号に扶養されている配偶者) | 対象外 |
| 任意加入被保険者 | 対象外 |
対象になるには、2026年10月1日以降に1歳未満の子を育てていて、次の両方を満たす必要があります(所得の要件はありません)。
- 子と親子関係があること
- 子と同一住所であること(届出では、被保険者と子の住民票上の住所が同じであることを確認します)
ここでいう子には、法律上の親子関係がある実子・養子に加え、特別養子縁組の監護期間にある子、養子縁組里親に委託されている子、そして「養子縁組里親として委託することが適当と認められるにもかかわらず、実親等が反対したことにより養育里親として委託されている子」も含まれます(養育里親に委託されている子すべてが対象になるわけではありません)。
例えば、夫がフリーランス(第1号)で妻が会社員(第2号)なら、育児免除の対象は夫だけです。妻は勤務先を通じた厚生年金保険料の免除を確認します(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」、2026年10月参照)。
育児免除の期間はいつからいつまで?免除期間の数え方
| 誰が | 免除される期間 | 公式の例(出産日 2027年5月1日) |
|---|---|---|
| 実母(産前産後免除の期間がある人) | 産前産後免除の期間に続く9か月間 | 2027年8月〜2028年4月の9か月 |
| 実父・養父母(産前産後免除の期間がない実母を含む) | 子を養育することになった日の属する月から、1歳になる誕生日の前月まで(最大12か月) | 2027年5月〜2028年4月の12か月 |
どちらも、免除されるのは2026年10月1日以降の月に限られます。
2026年10月より前に生まれた子の場合
制度が始まる前から子を育てていて、2026年10月時点で子が1歳未満の場合は、2026年10月以降の月の分だけが免除されます。日本年金機構は、出産日が2026年1月1日の場合の例として、実母・実父とも2026年10月から12月までの3か月間が育児免除の期間になると説明しています(出典: 同上)。
すでに保険料を納めている・ほかの免除を受けている月
すでに保険料を納めている期間や、法定免除・保険料免除・納付猶予・学生納付特例が承認されている期間も、届出をすれば育児免除の期間として扱われます。納めた保険料は充当または還付されます。育児免除の期間中も、付加保険料(月額400円)を納めることができます(出典: 同上)。
育児免除をいつ申請する?申請タイミングと届出が不要な人
日本年金機構は、育児免除の要件を満たした日以降、速やかに届出するよう案内しています。産前産後免除とあわせて届け出ることもできます(出典: 同上)。
届出が不要な人(実母の一部)
次の条件をすべて満たす実母は、届出をしなくても育児免除になります。該当する人には、産前産後免除の期間が終わった後に日本年金機構から「国民年金保険料育児免除該当通知書」が届きます。
- 産前産後免除の期間が2026年9月以降に終了した
- その後も引き続き子を養育していることを日本年金機構が確認できる(基礎年金番号とマイナンバーが紐付いていて、マイナンバーを使った情報連携で親子関係と子と同一世帯であることを確認できる)
実父・養父母と、産前産後免除の届出が済んでいない実母は、手続きが必要です。また、日本年金機構が育児免除に該当することを確認できなかった場合は「国民年金保険料産前産後免除終了のお知らせ」が届くので、育児免除の対象になる人は届出をします(出典: 同上)。
申請方法|電子申請・窓口・郵送での手続き手順
マイナポータルで電子申請する手順
準備するもの:マイナンバーカードと、受け取ったときに設定した利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)・券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)。初めての人はマイナポータルで利用者登録をします(出典: 日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」、2026年10月参照)。
- マイナポータルのトップ画面で「年金」を選ぶ。
- 「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き」を選ぶ。
- 質問に答えて手続きを確認する。育児免除の届出なら「育児期間における納付の免除」を選び、「手続に進む」を選ぶ。
- 券面事項入力補助用パスワード(数字4桁)を入力し、スマートフォンの裏側にマイナンバーカードを当てて読み取る。
- 画面の案内に沿って入力する。日本年金機構の入力項目の説明では、氏名・住所等(住民基本台帳の内容が表示される)の確認、養育する子の氏名・生年月日・性別・区分・個人番号、育児免除に該当した事由とその該当日を入力します(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除該当届の電子申請」、2026年10月参照)。
- 必要に応じて書類を添付する(親または子が外国籍の場合など。下の「必要な書類」を参照)。
- 個人情報の取扱い等を確認して「同意する」「申請する」を選び、送信すれば完了。
申請後の状況や審査結果は、マイナポータルの申請状況照会ページで確認できます。アカウント設定でメール通知を希望していれば、審査結果が届いたときにメールで知らせてくれます。途中で要件を満たさなくなったときの終了の届出は、同じ流れで「育児期間における納付の免除の終了」を選びます。
窓口・郵送で届け出る
住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口に、届書「国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」を出します。郵送でも手続きできます。様式と記入例(育児免除該当届・育児免除終了届)は日本年金機構のサイトからダウンロードでき、年金事務所や市区町村の窓口にも置いてあります。マイナンバーを記入した届書を郵送するときは、その都度、本人確認書類の写しを添付します(日本年金機構は「本人確認書類添付台紙」も用意しています)(出典: 日本年金機構「ケース16:国民年金第1号被保険者が1歳までの子を養育しているとき」、2026年10月参照)。
育児免除申請に必要な書類
| 確認すること | 書類の例 |
|---|---|
| (1)マイナンバーまたは基礎年金番号 | マイナンバーで手続きする場合はマイナンバーカード。カードがない場合は、マイナンバーが確認できる書類(通知カード(氏名・住所が住民票と一致する場合に限る)、個人番号の表示がある住民票の写しなど)と身元確認書類(運転免許証、パスポート、在留カードなど)。基礎年金番号で手続きする場合は基礎年金番号通知書など。電子申請の場合は添付不要。 |
| (2)被保険者と子の親子関係 | 原則添付不要(急ぐ場合は戸籍記載事項証明書)。ただし親または子が外国籍の場合は、戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書(日本の戸籍で確認できる場合)か、所属国の公的機関が発行する親子関係の証明書と翻訳人を明記した和訳文が必要。特別養子縁組の監護期間にある子は家庭裁判所が交付する事件係属証明書、養子縁組里親に委託されている子は児童相談所が交付する措置決定通知書、実親等の反対で養育里親として委託されている子は児童相談所長が発行する証明書の添付が必要です。 |
| (3)被保険者と子の住民票上の住所が同じこと | 原則添付不要(急ぐ場合は添付) |
(出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」、2026年10月参照)
育児免除が終わるとき・申請後に確認すべきこと
- 子が1歳になって期間が満了したときは、手続きは不要です。
- 期間の途中で要件を満たさなくなったとき(子と同居しなくなった場合など)は、育児免除終了の届出が必要です。要件を満たさなくなった日の翌日以降、速やかに市区町村の国民年金担当窓口に届け出ます(郵送も可)。マイナポータルの電子申請でも「育児免除該当・終了の届出」が案内されています。
- 届出が不要なはずなのに「育児免除該当通知書」が届かない、届出をしたのに保険料の納付書が届くといった場合は、自己判断で納付を止めず、近くの年金事務所やねんきん加入者ダイヤルに処理の状況を確認しましょう。
- 口座振替やクレジットカード納付で前納をしている場合、育児免除の期間が終わった後に振替方法が変わることがあります。詳しくは近くの年金事務所に問い合わせるよう案内されています。
育児免除についてよくある質問
Q. 育児免除を受けると将来の年金は減りますか?
A. 減りません。育児免除で保険料の納付が免除された期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。ただし、ほかに未納の月があれば、その分は年金額に反映されません。
Q. 夫婦ともフリーランスです。2人とも申請できますか?
A. できます。日本年金機構は「第1号被保険者であれば、夫婦ともに育児免除制度の対象になります」と案内しています。それぞれが届出をします(実母で届出不要の条件を満たす場合を除く)。
Q. 妻が会社員で、夫がフリーランスの場合は?
A. 夫(第1号被保険者)は育児免除の対象です。妻(第2号被保険者)は国民年金の育児免除の対象ではなく、厚生年金保険料の産前産後休業・育児休業期間の免除を勤務先を通じて確認します。
Q. わからないときはどこに聞けばいいですか?
A. 日本年金機構は、お近くの年金事務所、ねんきん加入者ダイヤル、ねんきんチャットボットを案内しています。年金事務所は「全国の相談・手続き窓口」で検索でき、国民年金の加入や納付等の手続きの相談は原則として全国どこの年金事務所でも受け付けています。届書の提出先は住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口です。
Q. 届出が遅れたらどうなりますか?
A. 日本年金機構は「要件を満たした日以降、速やかに届出」と案内していますが、届出が遅れた場合に免除の対象月がどう扱われるかは、2026年10月5日時点の公式ページに書かれていません。遅れてしまった場合は、早めに届出をしたうえで年金事務所に確認してください。
📚 参考・出典
- 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」(2026年10月1日更新)
- 日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」(2026年10月1日更新)
- 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除該当届の電子申請」(2026年10月1日更新)
- 日本年金機構「ケース16:国民年金第1号被保険者が1歳までの子を養育しているとき」
いずれも2026年10月5日に内容を確認しました。







