オウンドメディアのCMS選びで迷っている時点で、すでに見えないコストを払い続けています。WordPressかmicroCMSかCREAMかHubSpotかnoteかという「ツール比較」だけで判断すると、BtoBのリード獲得やSEO、社内承認フローと噛み合わず、数年後の移行と保守で大きく持ち出しになります。多くの企業が「無料ブログで十分」「CMSとは記事を更新できればOK」という前提でスタートし、プラグイン地獄やテンプレート制約、ヘッドレスCMSの運用停止に直面してから、初めて構造的な欠陥に気づきます。
本記事では、オウンドメディアとSNSの違いからCMSとは何かの再定義、オープンソースCMSとSaaS型CMS、プラットフォーム型、ヘッドレスCMSまでを、運用体制とセキュリティとSEOと移行リスクという実務目線で解体します。そのうえで、月4本更新の中小BtoB企業が現実的に取るべき構成、カテゴリ設計やパーマリンク、承認ワークフロー、ベンダーと制作会社の見抜き方までを具体的に示します。「どのCMSが良いか」ではなく「自社が失敗しない条件」が数十分で言語化できる記事です。読み進めるほど、今の選択肢のどこに地雷があるかがはっきりします。
- なぜ今「オウンドメディアとCMS選び」で痛い目を見る企業が増えているのか?
- CMSとは何かをオウンドメディア担当者の目線でまるっと解体してみる
- オウンドメディア向けCMSを4タイプに分解!自社に刺さる選択肢はどれだ?
- BtoBオウンドメディアでCMS選び大失敗に陥るリアルシナリオと抜け出すコツ
- SEOとセキュリティと運用体制から丸裸にするオウンドメディア向けCMSチェックリスト
- 予算とチーム構成から逆算するオウンドメディアとCMSのベストな組み合わせ図鑑
- CMSを入れたら勝手に成果は幻想!オウンドメディア設計と運用ルールの作り方
- 競合が教えてくれないCMSベンダーと制作会社選びの裏側チェックポイント
- 読んだあとに一歩進めるITとSEOの現場目線でオウンドメディア運用を磨くヒント
- この記事を書いた理由
なぜ今「オウンドメディアとCMS選び」で痛い目を見る企業が増えているのか?
マーケ予算をかけてサイトは作ったのに、1年後に残ったのは「更新できない管理画面」と「疲れ切った担当者」だけ、という相談が増えています。原因はテクノロジー不足よりも、オウンドメディアの役割とCMSの本質を混同したままスタートしていることにあります。
オウンドメディアとSNSの違いを知らないとCMS選びから迷走が始まるワケ
オウンドメディアは「自社がコントロールできる資産」、SNSは「他社プラットフォームを間借りする拡散装置」です。この違いを曖昧にしたままCMSを選ぶと、こんなズレが起こります。
| 項目 | オウンドメディア | SNS |
|---|---|---|
| 目的 | リード獲得・信頼構築 | 認知拡大・接点維持 |
| コントロール | デザイン・導線・SEOを自社で設計 | 仕様変更はプラットフォーム依存 |
| 必要なCMS機能 | カテゴリ設計、権限管理、フォーム連携 | 投稿予約、簡易レポート程度 |
SNSのノリで「更新しやすければOK」とCMSを選ぶと、URL設計やメタ情報が触れずSEOで積み上がらない、承認フローがなくガバナンス崩壊といった問題が必ず表面化します。
「無料ブログで十分」で突っ走った結果BtoBマーケが機能停止したリアル
実務の相談では「採用やBtoB向けのコンテンツを無料ブログサービスで始めたが、数字がまったく変わらない」という話がよく出ます。PVはSNS連携で伸びているのに、商談や応募が動かないケースです。
よく見る失敗パターンは次の通りです。
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サイト構造を自社で設計できないため、CTAボタンや資料請求フォームまでの導線が分断される
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ドメインが自社でないため、検索結果で自社サイトとの評価が分散する
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記事下に他社広告や関連記事が表示され、せっかくのリードが外部に流出する
PVは「人通りの多い駅前でチラシを配った枚数」に近い指標です。BtoBでは、フォーム送信・問い合わせ・ホワイトペーパーダウンロードといった“財布に近い行動”を測れないCMS構成だと、マーケティングが事実上止まります。私の視点で言いますと、無料ブログスタートは「検証」には有効でも、「継続的なリード獲得の基盤」としてはほとんどの場合オーバーキルではなく“明確な機能不足”です。
相談現場で飛び交う“CMS迷子”のチャット再現から見える共通の落とし穴
実際のチャット相談を要約すると、次のような会話が繰り返されています。
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「WordPressとSaaS型CMSとヘッドレスで迷っています。どれがSEOに強いですか?」
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「noteで始めたのですが、採用エントリーに全然つながりません」
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「セキュリティを理由にヘッドレスを勧められたのですが、マーケだけでページを増やせるか不安です」
ここから見える共通点は、比較軸が“ツール名”と“SEO”に偏りすぎていることです。本来は次の順番で考える必要があります。
- どのKPI(リード数、商談数、応募数)を追うのか
- 誰がどの頻度で記事を更新し、誰が承認するのか
- どこまで自社で保守し、どこからをベンダーに委ねるのか
- その運用フローにフィットするCMSタイプはどれか
この順番を飛ばして「おすすめCMSランキング」から入り込むと、結果としてプラグイン更新で夜間にレイアウト崩れが起きるWordPress地獄や、テンプレ制約でカテゴリやタグ構造が破綻したSaaS型CMSに行き着きます。
痛い目を見る企業が増えているのは、ツールの問題ではなく、運用体制とガバナンスを起点にしたCMS選定ロジックが社内にないことが最大の要因と言えます。ここを押さえるかどうかで、これから数年のマーケ成果が大きく変わってきます。
CMSとは何かをオウンドメディア担当者の目線でまるっと解体してみる
CMSはWebサイト制作ツールじゃない?コンテンツマネジメントの頭脳として考える
「CMSって結局、制作会社が使う更新ツールでしょ」と思っていると、最初の一手からつまずきます。
オウンドのメディア運営で本当に効いてくるのは、デザインよりコンテンツをどう流し、どう管理するかです。
CMSはざっくり言えば、次の3つを自動でさばく「頭脳」です。
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誰が
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どの記事を
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どのルールで出すか
ここがうまく設計されていないと、次のような事故が起こります。
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承認前の記事が検索結果に出て炎上
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タグ乱発でSEO評価が分散
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URL設計がバラバラでリダイレクト地獄
私の視点で言いますと、実務者が本当に困るのはデザインではなく、承認フローと権限、URLとメタ情報の設計をCMSがどこまで支えてくれるかです。ここを意識して選ばないと、後からどのツールでも同じように苦しむことになります。
WordPressやmicroCMSやCREAMやHubSpotCMSやnoteはそれぞれどこが違うのか
代表的なツールを「何ができるか」よりも、運用の現場でどこが違うかで見てみます。
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WordPress
オープンソースで拡張自由。プラグインとPHPカスタマイズで何でもできる反面、セキュリティとアップデートの手当が必須です。自前サーバー運用なら、脆弱性対応の担当が社内にいないと危険ゾーンに入りやすくなります。
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microCMS
SaaS型のクラウドCMSで、ヘッドレス構成に強いタイプです。APIでWebやLP、アプリにもコンテンツを配信しやすい一方、テンプレートの自由度はフルスクラッチより抑えめです。開発チームとマーケチームの連携前提で選ぶと機能を活かしやすくなります。
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CREAM
メディア運営向けのCMSとして、記事作成とSEO対策、広告運用やコンテンツマーケティングに必要な機能をパッケージ化したタイプです。BtoBのリード獲得などKPIがはっきりしている企業に相性が良く、テンプレート前提でスピーディーに構築したいケースで選択肢に入ります。
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HubSpot CMS
CRMやMAとセットで考えるべきCMSです。フォームやCTA、メールマーケティングと密に連携できるため、匿名アクセスから商談までの一気通貫トラッキングを重視する会社向きです。その分、月額費用と運用難度は上がるので、営業やインサイドセールスと一緒に検討した方が失敗しません。
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note
プラットフォーム型で、アカウントを作ればすぐに記事を公開できます。PVを稼ぐには有利ですが、ドメインが自社ではないため、BtoBのリード獲得やSEO資産を自社サイトに積み上げたい場合は限界が見えます。「採用広報の露出拡大」といった目的なら割り切って使う選択もあります。
ブログサービスや静的CMSやヘッドレスCMSやオープンソースCMSを運用のしやすさで比べる
ここからが多くの担当者が迷子になるポイントです。技術的な違いではなく、日々の運用とトラブル時の動きやすさで比較してみます。
| タイプ | 運用のしやすさ | 向きやすい企業像 | つまずきポイント |
|---|---|---|---|
| ブログサービス | アカウント作成だけで開始可能 | 個人〜小規模、まず情報発信を試したい | SEO資産が自社ドメインに貯まりにくい |
| 静的CMS | 表示が速い、セキュリティリスク低め | 開発体制があり、更新頻度は中程度 | 非エンジニアだけでレイアウト変更しにくい |
| ヘッドレスCMS | 複数チャネル配信に強い | エンジニア常駐のBtoB SaaSや中〜大企業 | マーケだけでLPを増やせず更新が止まりやすい |
| オープンソースCMS | 自由度が高くプラグインも豊富 | Webに詳しい担当がいて外部パートナーもいる | アップデートとセキュリティ対応の負担 |
運用現場で多いのは、次のようなパターンです。
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ブログサービス
採用メディアを始めたところPVは伸びたのに、応募フォームが会社サイト側にあり、コンバージョン導線が弱く応募数が変わらないケースがよくあります。トラフィックとビジネス指標が別サイトに割れている状態は、計測と改善が極端にやりづらくなります。
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静的CMS
PageSpeedは高得点でも、カテゴリ追加やテンプレート編集に毎回Git運用が必要になり、マーケチームだけでは更新が進まなくなることがあります。エンジニアリソースが細ると一気に失速します。
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ヘッドレスCMS
技術的には最強構成でも、LPを1枚増やすたびにフロントエンド開発が必要で、BtoBマーケがキャンペーンを思い立っても即日ページを出せない。その結果、記事本数もCTAも増えず、せっかくの投資が数字に出ないケースが少なくありません。
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オープンソースCMS
夜間にプラグイン更新を自動実行した結果、レイアウト崩れが発生し、翌朝まで誰も気づけなかったという話は珍しくありません。保守体制がない自前運用は、静かな時限爆弾になりやすいと考えた方が安全です。
運用のしやすさは、「どのタイプが優れているか」ではなく、自社の更新頻度、承認フロー、社内スキルと噛み合っているかどうかで決まります。ここを最初に見極めておくと、CMS選びで遠回りせずに済みます。
オウンドメディア向けCMSを4タイプに分解!自社に刺さる選択肢はどれだ?
「どのCMSも“良さそう”に見えて、どれが地雷か分からない」状態のまま選ぶと、多くの企業は2年後に必ず後悔します。ここでは4タイプを冷静に分解し、組織構造と運用体制に合うかという観点で切り分けます。
まず全体像を整理します。
| タイプ | 代表例 | 向く企業 | つまずきポイント |
|---|---|---|---|
| オープンソース | WordPress Drupal | 社内or制作会社にエンジニアがいる | 保守・セキュリティ更新が重い |
| SaaS・クラウド | microCMS LeadGrid HubSpot CMS | 少人数マーケ組織 BtoB | テンプレート制約で細かいSEO施策が止まる |
| プラットフォーム | note はてなブログMedia Amebaブログ | まず発信量を増やしたい広報・採用 | CV導線やリード獲得が弱くなりがち |
| ヘッドレス・Jamstack | microCMS+Next.js等 | 技術組織が強くUXを攻めたい | マーケだけでページを増やせない |
私の視点で言いますと、どのタイプを選ぶかより「誰がどこまで自走できるか」を決める方が成果差を生みます。
オープンソースCMS(WordPressやMovableTypeやDrupalなど)がハマる組織・ハマらない組織
オープンソースは自由度とコストコントロールが強みです。テーマやプラグインでSEO対策やブログ機能を柔軟に拡張でき、BtoBメディアでも王道の選択肢です。
ハマりやすいのは次のような組織です。
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社内にWeb担当と開発者がいる、または制作会社と長期契約している
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セキュリティやアップデートの運用ルールを最初に決められる
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デザインや機能を細かくカスタマイズしたい
一方で、「マーケ1人+外注ライターだけ」の体制で自前運用すると、プラグイン更新でレイアウト崩れが起きても直せず、夜間にサイトが落ちるケースが珍しくありません。
BtoBで信頼を売るサイトが、脆弱性放置で警告を出してしまうと、その瞬間にリード獲得どころではなくなります。
SaaS型CMSやクラウドCMS(microCMSやLeadGridなど)の強みとテンプレ制約の現実
SaaS型は「保守をベンダーに丸投げできる安心感」が最大のメリットです。クラウドで自動アップデートされ、サーバー管理も不要なので、少人数のマーケ組織には相性が良いです。
強みは次の通りです。
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セキュリティとバックアップをベンダーが担保
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管理画面がシンプルで、非エンジニアでも記事更新しやすい
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フォームやCTAブロックがテンプレート化されていて、LP制作が効率的
ただし現場では、「LCP改善や構造化データを細かく触りたいのに、テンプレートがロックされていて変更できない」という声が頻発します。
導入前に必ずテンプレートの編集権限・追加開発の費用・URL設計の自由度を確認しておかないと、1年後に「SEOを強化したいのに箱が足かせ」という状態になりやすいです。
プラットフォーム型(noteやはてなブログMediaやAmebaブログなど)の限界ラインを見極める
プラットフォーム型は「とにかく早く発信を始めたい」ときの即効薬です。アカウント開設だけでメディアが立ち上がり、文章に集中できます。
向くケースは次のような場面です。
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採用広報でカルチャー発信をしたい
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スタートアップがまず認知を取りたい
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予算ゼロで試験的にコンテンツマーケティングを始めたい
一方で、採用サイトやBtoBリード獲得をゴールにするときは要注意です。プラットフォーム上でPVが伸びても、自社サイトへの導線や問い合わせフォームまでの導線が弱いと、応募や商談数はほとんど動きません。
「PVは右肩上がりなのに、売上も応募も増えない」状態に陥った事例では、CTA配置と自社ドメイン側のLP不足がほぼ共通しています。
ヘッドレスCMSとJamstack構成が最強なのに失敗するケーススタディ
ヘッドレスCMSとJamstack構成は、技術的にはパフォーマンス・セキュリティ・拡張性の三冠王です。静的生成でLCPを改善しつつ、API連携でMAツールやCRMとも柔軟に接続できます。
ただし、ここが最大の落とし穴です。
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管理画面は「コンテンツ入力」専用で、レイアウトをマーケ側でいじれない
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LPを1ページ増やすにもフロントエンド開発が必要
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承認フローや下書きプレビューが設計次第で使いにくくなる
結果として、「技術的には最強の構成にしたのに、マーケチームだけでは記事一覧の並び替えすら変えられない」という現場の悲鳴が上がります。
BtoBで月に複数本のホワイトペーパーLPやセミナーページを回すなら、ノーコードでページを増やせる仕組みをあらかじめ用意するかどうかが生死を分けます。
ヘッドレスを選ぶ場合は、
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マーケ担当だけで更新できる範囲
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開発チームが毎月確保できる工数
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コンポーネント設計の自由度
を最初の要件定義で細かく詰めることが、失敗を避ける唯一の近道になります。
BtoBオウンドメディアでCMS選び大失敗に陥るリアルシナリオと抜け出すコツ
WordPress自前運用でプラグイン地獄…担当者の休日が消えた一週間の顛末
「夜にプラグイン更新したら、翌朝トップページが崩れてリードフォームも消えていた」。現場で本当に起きている悲鳴です。
技術者不在のBtoB企業が、制作会社の「更新かんたんですよ」に乗ってWordPressを自前運用すると、次のコンボになりやすいです。
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脆弱性対策のためプラグイン更新は必須
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でもテスト環境がない
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デザインも機能もプラグイン依存
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1つ更新するとレイアウトと計測タグが一気に崩れる
その結果、マーケ担当が土日にロールバックと表示確認をやり続ける状態になります。私の視点で言いますと、「誰がステージングと検証を担うか」を決めないWordPress採用は、ほぼ事故予備軍です。
noteとSNSでPVは爆伸びなのに商談も応募も増えなかったメディアの共通点
採用広報やBtoBの事例発信をnoteとSNSで始めると、PVやスキは伸びやすいです。ところが、商談数や応募数に変換できないケースが驚くほど多くあります。共通点はシンプルです。
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CTAボタンが自社サイトの深い階層に飛ばされる
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記事一覧に「職種別」「業界別」などのナビがない
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フォーム連携が弱く、Google広告やMAと紐づかない
つまり、メディアとしては賑わうのに、営業や人事のKPIとつながる導線設計がほぼ存在しないのです。プラットフォーム型サービスは集客には強い一方で、URL設計とコンバージョン最適化を細かく制御しづらいことを前提にしておかないと、PVだけが虚しく積み上がります。
ヘッドレスCMSとSPA構成にしたら誰もLPを増やせなくなった現場の悲鳴
SaaS企業でよくあるのが、「開発チーム主導でヘッドレスCMSとSPA構成を導入し、技術的には最強だけれど、マーケが自力で1ページも増やせなくなる」パターンです。
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新規LPを作るにはGitとコンポーネントの知識が必要
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コンテンツモデル変更はエンジニアの開発タスク扱い
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公開までに「企画→デザイン→開発→レビュー」で数週間
結果として、リリース速度が遅くなり、広告やSEOの仮説検証サイクルが止まる状態に陥ります。BtoBのリード獲得では、LPを小刻みに増やしてABテストを回すことが生命線です。更新主体が開発チームになった瞬間、その武器が封じられます。
こうすれば避けられた!導入前に必ず押さえるべきCMS選定の5つのチェックポイント
上のような失敗は、「どのツールが人気か」ではなく、「運用プロセスと権限設計」を事前に詰めることでほぼ防げます。最低限、次の5点はベンダーと制作会社に具体的な画面や仕様で確認しておくべきです。
| チェックポイント | 確認するべき具体項目 |
|---|---|
| 1. 承認フロー | 下書き→レビュー→公開の権限と通知が柔軟か |
| 2. ステージング環境 | 本番反映前にレイアウトと計測タグを検証できるか |
| 3. URLとパーマリンク | カテゴリ変更時のURL挙動とリダイレクト設定の自由度 |
| 4. メタ情報UI | タイトル・ディスクリプション・構造化データを担当者が入力しやすいか |
| 5. テンプレ制約 | CTA配置やフォーム埋め込みをどこまでノーコードで変えられるか |
あわせて、次の観点で自社を棚卸ししておくと、ツール選びが一気にクリアになります。
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社内でHTMLとCSSを触れる人が何人いて、何時間を割けるか
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月の更新本数と、必要なLP追加の頻度
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どこまでを社内運用、どこからを外部保守に任せるか
ツール比較表よりも、「誰が・どの画面で・何分で更新できるか」まで描けるかどうかが、BtoBオウンドメディアの成否を決めます。ここを最初から具体的に描ければ、プラグイン地獄もPVだけメディアも、「更新できない最強構成」もかなりの確率で避けられるはずです。
SEOとセキュリティと運用体制から丸裸にするオウンドメディア向けCMSチェックリスト
アクセスもリードも「CMSの設定画面で静かに決まっていた」というケースを、現場で何度も見てきました。派手なデザインより、ここからのチェックが勝負どころです。
GoogleのSEO視点で見るCMS機能:LCPや構造化データやカスタムメタ情報はここをチェック
私の視点で言いますと、BtoBメディアで伸びない理由の半分は「書く前にCMSで詰んでいる」です。最低限、次の機能は必須レベルで確認しておきたいところです。
主なSEO関連機能とチェックポイントを整理します。
| 項目 | 必須チェック内容 | NGパターンの例 |
|---|---|---|
| ページ表示速度(LCP) | 画像圧縮、自動WebP変換、不要スクリプト削減 | テンプレートが巨大JS依存で修正不能 |
| 構造化データ | 記事タイプ、パンくず、FAQをテンプレで出力可能か | コード直書きしか方法がない |
| カスタムメタ | タイトル/ディスクリプション/OGPを画面から編集 | 一括自動生成だけで制御不能 |
| URL設計 | スラッグ編集、カテゴリ構造の柔軟性 | 日付入り固定で変更不可 |
特にLCPはテンプレート次第で打ち手が封じられます。SaaS型サービスで「PageSpeed改善は仕様外です」と言われ、コアウェブバイタル対策がストップしたケースも珍しくありません。事前にデモ環境で、1本テスト記事を入れてPageSpeed Insightsを叩いておくと失敗を避けやすくなります。
セキュリティと保守の現実:アップデートと脆弱性対応を誰がどこまで背負うのか
夜中にWordPressのプラグイン自動更新が動き、トップページのレイアウトが崩れたまま翌朝まで放置された事例は、現場では定番です。問題は「誰が」「どこまで」責任を持つかが曖昧なことです。
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オープンソース型
- コア・プラグインの更新方針
- テスト用ステージング環境の有無
- 脆弱性情報をウォッチする担当の割り当て
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SaaS型・クラウド型
- ベンダー側で自動アップデートされる範囲
- 重大インシデント発生時の通知フロー
- データバックアップと復旧SLA
特にBtoBで怖いのは、「情シス不在+自前WordPress+保守契約なし」という組み合わせです。セキュリティ対策はツール選定というより、保守を人件費として予算計上しているかが分かれ目です。
更新フローと承認ワークフローをCMSでどう仕込むかでコンテンツマーケの回り方が決まる
SEOより先に詰むのが、更新フローです。ヘッドレス構成にしてエンジニアしか公開ボタンを押せず、LP1枚出すたびに開発チケットを切る状態になり、更新頻度が半分以下に落ちたケースもあります。
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役割ごとの権限分離
- ライター: 下書き作成のみ
- 編集者: 文章修正・SEO設定
- 承認者: 法務/上長チェックと公開
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ステージングとプレビュー
- 本番そっくりのプレビューURL発行
- スマホ/PCの見え方を非エンジニアが確認可能
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ログとロールバック
- 誰がいつ何を変更したかの履歴
- 誤公開を即戻せるバージョン管理
これがCMS側に仕込めていないと、承認のたびにWordファイルがメールで飛び交い、差分管理が崩壊します。結果として「誰も責任を取りたくない」状態になり、公開まで数週間かかるメディアが量産されます。
BtoBリード獲得のCTAやLPやフォーム連携をCMS側でどう担保するか
PVはあるのにリードが増えないメディアの多くは、CTAとフォームの設計がCMSレベルで貧弱です。noteで採用コンテンツを積み上げても、応募フォームへの導線がバナー1つだけでは、応募数はほとんど動きません。
BtoB向けに見るべきポイントは次の通りです。
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CTA運用
- 記事下・サイドバー・本文中CTAの出し分け
- カテゴリ別に訴求内容を変えられるか
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LP作成
- ノーコードでLPテンプレートを複製・編集
- ABテスト用にURL違いのLPを量産可能か
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フォーム連携
- HubSpotやSalesforce、MAツールとの連携方式
- サンクスページを記事単位で設定できるか
- UTMパラメータを正しく引き継げるか
ここが弱いCMSだと、せっかくホワイトペーパーやセミナーを用意しても、フォームが外部サービスに飛ぶだけの「穴あきバケツ」状態になります。マーケ予算をコンテンツ制作だけに投下するのではなく、CTAとフォーム周りをCMS要件として設計に組み込むことが、BtoBリード獲得の近道になります。
予算とチーム構成から逆算するオウンドメディアとCMSのベストな組み合わせ図鑑
「どのCMSが良いか?」よりも、「自分たちのチームと財布でどこまで回せるか?」を決めた方が失敗は一気に減ります。ここでは、予算と体制から逆算して、現実的に“勝てる”構成だけを絞り込みます。
月4本更新の中小BtoB企業にちょうどいいCMS構成とはどんな姿か
月4本ペースのBtoBメディア運用なら、過剰スペックより「保守いらず」と「更新のしやすさ」が最優先です。私の視点で言いますと、次のどれかに収まるケースがほとんどです。
| パターン | CMSタイプ | 向く企業 | 月額イメージ | 要注意ポイント |
|---|---|---|---|---|
| A | SaaS型CMS | 情シス不在の中小 | 数千〜数万円 | テンプレのSEO制約 |
| B | マネージドWordPress | 既にWP知見あり | 数千円+保守費用 | プラグイン更新のルール |
| C | プラットフォーム型+LP別サービス | 採用寄り・ライト運用 | 無料〜数千円 | リード獲得導線の弱さ |
月4本レベルでヘッドレスCMSやJamstack構成に走ると、「更新できるのが開発会社だけ」という状態になりやすく、LP追加のたびに見積書が飛んできます。更新頻度と売上インパクトを冷静に見て、A〜Cのどこにいるべきかを先に決めておく方が安全です。
社内ライターと外注ライターが混在するチームでCMSに求められること
社内と外注が入り混じると、承認フローと権限管理をどこまでCMSで制御できるかが勝負どころになります。現場で効いたのは、次のような要件です。
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ライター権限は「下書きと画像アップのみ」
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編集者がタイトル・ディスクリプション・構造化データを最終チェック
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ステージング環境で上長がプレビュー承認
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更新履歴ログで「誰がいつ何を変えたか」を追える
これらがないと、外注が勝手にカテゴリを増やしたり、タグ乱発でSEOが崩壊したりしがちです。特にSaaS型CMSを選ぶ場合は、ワークフロー機能が有料オプションかどうかを必ず確認しておくべきです。
初期費用と月額費用から考える背伸びしすぎない現実的なCMS選び
BtoBの中小企業で多い“失敗パターン”が、導入時だけ背伸びして、2年目以降のランニングを見ていないケースです。ざっくりの目安を整理します。
| 初期+1年トータル | 現実ライン | ありがちな危険シグナル |
|---|---|---|
| 50〜100万円 | 中小BtoBのメインレンジ | 「フルスクラッチで自由度高く」がキーワードに出る |
| 100〜300万円 | MA連携前提・多言語対応など | 開発会社にしか触れない管理画面設計 |
| 300万円超 | 大規模コーポレート級 | 月4本更新ではほぼオーバースペック |
ポイントは、コンテンツ制作費を必ず別枠で確保することです。CMSに予算を食われると、記事本数が減り、SEOもリード獲得も失速します。月額は「ツール合計+保守+ライター費」が売上貢献に見合うかを、半年〜1年単位でシミュレーションしておくと判断を誤りにくくなります。
MAツールやCRM(HubSpotやSalesforceなど)と連携させるときのCMS要件
リード獲得がKPIのBtoBメディアでは、フォームとスコアリングの設計で成果がほぼ決まると言っても過言ではありません。MAやCRMと組み合わせる場合、CMS側で最低限チェックしたいのは次のポイントです。
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CTAボタンやフォームをテンプレートではなくコンポーネントとして再利用できるか
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HubSpotフォームやSalesforceのWeb to Leadを管理画面から埋め込めるUIがあるか
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LP単位で計測タグ・コンバージョンポイントを自由に設定できるか
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問い合わせ種別ごとにサンクスページURLを分けられるか(MAのシナリオ分岐用)
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UTMパラメータやリファラ情報をフォーム送信時に引き渡せるか
これが満たせないと、「MAは入れたのにメールアドレスがExcelでバラバラ」という残念な状態になります。CMS選定の段階で、デモ環境を触りながら1本LPを擬似的に作ってみることが、後戻りを防ぐ一番確実なテストになります。
CMSを入れたら勝手に成果は幻想!オウンドメディア設計と運用ルールの作り方
「CMSを入れた瞬間からリードが増えるはず」が、現場で一番危険な思い込みです。成果が出るかどうかを決めているのはツールよりも、情報設計と運用ルールです。ここを外すと、高機能なCMSが一瞬で「更新しづらい社内ポータル」に変わります。
私の視点で言いますと、失敗メディアにはほぼ必ず、ここで挙げる4つの設計漏れが同時に起きています。
CMS導入直後にやらないと詰むカテゴリ設計とパーマリンクポリシー
最初の1カ月で決めるべきはデザインではなく、カテゴリとURLの骨格です。ここが曖昧なまま走り出すと、1年後に情報の墓場になります。
| 決めること | 抑えるポイント | 失敗すると起きること |
|---|---|---|
| カテゴリ構成 | 3階層以内・BtoBの購入プロセスに対応 | どの記事を読めばよいか社内でも迷子 |
| パーマリンク | 日付無し・日本語無し・英単語orスラッグ | URLが長くなりリダイレクト地獄 |
| 一覧ページ | カテゴリ別・タグ別の優先順位 | 重要テーマにたどり着けない |
特にBtoBでは、「課題別」「サービス領域別」「導入事例」の3系統を軸に設計しておくと、営業資料としても流用しやすくなります。WordPressでもSaaS型CMSでも、パーマリンクを途中で変えるコストは想像以上に高いので、最初に1時間かけてでもチームで合意しておくべきポイントです。
タグ乱発と重複コンテンツとLCP悪化を防ぐための編集ガイドライン作り
タグは便利そうに見えて、何も決めずに運用するとゴミ箱フォルダになります。
タグ運用のガイドライン例を挙げます。
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タグは最大30個まで、事前にマスターを作成
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1記事あたり付与するタグは3〜5個まで
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新規タグの追加権限は編集長だけ
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同義語(例:「営業」と「セールス」)はどちらかに統一
タグ乱発で一覧ページが増えすぎると、似た内容のページが量産され、検索エンジンから重複コンテンツとみなされるリスクが高まります。さらに、タグ一覧ごとに自動生成されるサムネイルやスクリプトが増え、LCP(ページの表示速度指標)が悪化するケースも頻発します。
SaaS型CMSでもヘッドレスCMSでも、「タグページをインデックスさせるか」「何件でページネーションするか」を事前に設定できるかは必ず確認しておきたいポイントです。
記事制作から公開までを止めないためのライティングと校閲と承認と公開フロー
良いCMSでも、承認フローが詰まると更新が止まるという現象はどの企業でも起きています。特にBtoBのオウンドメディアでは、法務チェックやサービス責任者の確認が入るため、ワークフロー設計が命綱です。
おすすめの基本フローは次の通りです。
- ライターが下書き作成(下書きステータス)
- 編集担当が構成と事実確認(レビュー待ち)
- 部門責任者が表現チェック(承認待ち)
- CMS上で公開予約(公開予定)
このときCMS側に欲しい機能は、ロールごとの権限管理と、承認フローのステータス可視化です。WordPressのようなオープンソースCMSであればプラグインで拡張しますが、プラグイン更新でレイアウト崩れが起きるリスクもあります。SaaS型CMSでは、標準のワークフロー機能の柔軟性がどこまであるかを必ずデモで確認しておくと安心です。
CMS移行でSEOを落とさないためのURLマッピングとリダイレクト設計の勘所
CMS移行で一番多い悲鳴が「リニューアルした途端にアクセスが半分になった」というパターンです。原因の多くはURLマッピングとリダイレクト設計の抜け漏れです。
移行時に最低限やるべきことを整理します。
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既存サイトのURL一覧を全てエクスポート
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1URLごとに「新URL」「ステータス(維持・統合・削除)」を決める
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統合・削除するURLは、最も近い新URLへ301リダイレクトを設定
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重要ランディングページは、タイトル・見出し・本文構成を大きく変えない
特にヘッドレスCMSやJamstack構成へ移行する場合、開発チームとマーケチームでURLルールの理解がズレると、意図せずURLが変わってしまうことがあります。事前にスプレッドシートでURLマッピング表を作り、ベンダーと共有したうえで、ステージング環境でクロールテストを行うことが、SEOを守る最短ルートです。
CMSは単なるツールではなく、コンテンツマーケティングの「社内ルールを強制する装置」です。カテゴリ設計・タグ運用・ワークフロー・URLマッピングの4点を固めておけば、「CMSは入れたけれど全く成果が出ない」というよくある失敗を、大きく回避しやすくなります。
競合が教えてくれないCMSベンダーと制作会社選びの裏側チェックポイント
とりあえずWordPressでの一言に潜むリスクを見抜く3つの質問
打ち合わせで「CMSはWordPressでいいですよ」と一言で片付ける会社は、かなり高い確率で運用フェーズの苦労を想像していません。ここで必ず投げてほしい質問は次の3つです。
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自社で更新する人のITリテラシーと運用体制をどう設計に反映しますか
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プラグイン更新でレイアウト崩れが出た場合、誰がどこまで保守対応しますか
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1年後にカテゴリやURL構造を変えたくなった時、どの程度の工数と費用が発生しますか
この3問に対して、具体的な作業ステップと担当の役割分担が出てこないなら要注意です。実際に、夜間のプラグイン更新でトップページが崩れたのに、社内で直せる人がおらず、翌朝までLPもフォームも落ちたケースは珍しくありません。
私の視点で言いますと、「WordPressで作るかどうか」よりも、「障害が起きた時にどのような手順で復旧するか」を事前に話せないパートナーは、BtoBリード獲得を狙うメディアには向きません。
SaaS型CMSの提案書で真っ先に見るべきテンプレ制約一覧の読み解き方
SaaS型CMSやクラウドサービスは、セキュリティや保守が楽な反面、テンプレート制約がマーケティングの足かせになることがあります。提案資料で最初に見るべきポイントはここです。
| チェック項目 | 見るべきポイント | 失敗パターン |
|---|---|---|
| CTA配置 | ボタン位置や数を管理画面で変えられるか | フォームを増やせずCV率改善が止まる |
| メタ情報 | タイトルやディスクリプション以外に構造化データを設定できるか | SEO強化したくても手が出せない |
| ページ速度 | テンプレートのJSやCSSを削減できるか | LCP改善ができず広告ランディングに不利 |
| 一覧ページ | カテゴリ別の出し分けを設定画面で制御できるか | 記事数が増えた瞬間に情報が探せなくなる |
提案書に「柔軟にカスタマイズ可能」と書いてあっても、実際はベンダー側の開発案件としてしか受けない領域が多いケースがあります。運用担当が自分の手で触れる範囲と、有償カスタマイズにしか手を出せない範囲を、必ず線引きしておくことが重要です。
見積書のここに要注意!将来の移行コストと保守の人件費が隠れているポイント
初期費用と月額費用だけを比べていると、数年後に移行コストという爆弾が爆発します。見積書では次の欄を細かくチェックしてください。
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テンプレート作成の費用に「二重構造」がないか
- 表には1種類分しか書かれておらず、実際はLP用やキャンペーン用が追加費用になっているケースがあります
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保守・サポートの範囲
- CMS本体のアップデートと、プラグインやアドオンのアップデートが別料金になっていないか
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データエクスポートの仕様
- 記事や画像を標準機能で一括エクスポートできるか、専用スクリプト作成が前提になっていないか
数年後に別ツールへ乗り換える時、この「エクスポート条件」がネックになり、移行スクリプト開発で数十万円単位の追加費用が出るケースもあります。BtoBメディアで長期運用を前提にするなら、最初から「出口のコスト」を見積もることが経営判断として合理的です。
相談メールやチャットの文面から分かるパートナー選定の好信号と危険サイン
意外と見落とされがちですが、ベンダーや制作会社との最初のメールやチャットには、パートナーとして長く付き合えるかどうかのサインがはっきり出ます。
好信号の例
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相談内容を、「SEO」「セキュリティ」「運用フロー」「リード獲得」の4つくらいの論点に整理して返信してくる
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予算だけでなく、チーム人数と更新頻度を必ず確認してくる
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できないことや対応範囲外のことを先に明示し、代替案を提案してくる
危険サインの例
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最初からサービス紹介URLと料金表だけを投げてくる
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「SEOに強いCMSです」「国産オープンソースで安心です」といった抽象的な表現しかない
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承認フローや権限管理について質問しても、「標準機能で対応可能」と一言で済ませる
メール1往復で、こちらのビジネスモデルやKPIに触れず、ツール機能の話しかしない会社は、オウンドメディアを単なるWebサイト制作案件としてしか見ていない可能性が高いです。逆に、最初の段階から「リードの定義」や「商談化までの導線」まで踏み込んで聞いてくるパートナーこそ、長期で成果にコミットしてくれる候補として残す価値があります。
読んだあとに一歩進めるITとSEOの現場目線でオウンドメディア運用を磨くヒント
CMS選定の先にあるオウンドメディア運用で追うべきKPIと改善サイクル
CMSを入れた瞬間がゴールではなく、そこからが「数字勝負」のスタートです。BtoBの現場で追うべき指標は、PVよりも商談と応募にどれだけ近づいたかです。
代表的なKPIを整理すると次のようになります。
| レイヤー | KPI例 | CMSで見るべきポイント |
|---|---|---|
| 集客 | オーガニック流入数、検索クエリ数 | タイトル・ディスクリプション編集、構造化データ設定のしやすさ |
| 接点 | CTAクリック率、資料DL件数 | CTAブロックの再利用性、フォーム連携、ABテストのしやすさ |
| 受注・採用 | 商談化率、応募数 | MA・CRM連携、リード情報の属性取得項目 |
運用サイクルはシンプルに言語化すると次のループです。
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記事を公開する
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Search ConsoleとAnalyticsで「読まれ方」と「動線」を見る
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タイトル・見出し・CTA位置をCMS上で改善する
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2〜4週間後の数字を比較し、伸びた型をテンプレート化する
私の視点で言いますと、この「改善にかかるクリック数」がCMS選定の隠れKPIです。タイトル修正やCTA差し替えに毎回制作会社が必要な構成だと、どれだけ優秀な戦略でも回りません。
SEOやPageSpeedやセキュリティアップデートをキャッチアップするための情報源
検索アルゴリズムも脆弱性情報も、待っていても誰も教えてくれません。担当者が「最低限ここだけは押さえる」情報源を決め打ちしておくと楽になります。
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SEO・コンテンツマーケティング
- Google公式の検索セントラルブログ
- 検索結果の変動を追っている国内SEOブログ
- 海外の検索カンファレンスのレポート記事
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PageSpeed・コアウェブバイタル
- PageSpeed InsightsとLighthouseのレポート
- 各CMSのパフォーマンス改善に関するドキュメントやコミュニティ投稿
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セキュリティ・脆弱性
- 利用しているCMSの公式アナウンス
- 使用プラグインやテーマのリリースノート
- 情報処理推進機構などの脆弱性情報データベース
ポイントは、「毎日全部を見る」のではなく、月1回の定例で見るリストをCMS運用マニュアルに固定することです。担当が変わっても、同じリズムでキャッチアップできます。
数年先を見据えたCMSとオウンドメディアのトレンド予測と今から仕込めること
ここ数年で現場に強く効いてきそうなのは、次の3つです。
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ヘッドレスCMSとMA・CRM連携の前提化
単なるブログではなく、ホワイトペーパーやウェビナー情報も含めて「コンテンツを一元管理」し、SalesforceやHubSpotへ自動連携する流れが一気に加速しています。今からできるのは、カテゴリやタグ設計を「顧客フェーズ」と結びつけておくことです。
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テンプレートの“運用者主導”化
ベンダー標準テンプレートのままだと、LCP改善やFAQ構造化データの追加ができずに詰まるケースが増えています。導入時点で「マーケチームが触れる範囲」と「エンジニアに依頼が必要な範囲」をテーブル化しておくと、将来の改修コストを大きく抑えられます。
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生成AIと編集ガイドラインのセット運用
AIで下書きを量産しつつ、人間が一次情報・事例・固有名詞を肉付けするワークフローが標準になりつつあります。そのとき重要になるのが、CMS側の入力UIにガイドラインを埋め込むことです。タイトル文字数、ディスクリプションの型、構造化データの必須項目を入力欄の横に明示しておくと、外部ライターを巻き込んでも品質がブレません。
検索に強いメディアとそうでないメディアの差は、将来の変化を「予言する」ことではなく、変化しても回せる運用の型を今どこまで仕込めるかで決まります。その土台を支えるのが、今日選んだCMSと、明日から回す改善サイクルです。
この記事を書いた理由
著者 – 村上 雄介(newcurrent編集部ライター)
中小のBtoB企業を支援していると、「とりあえずWordPressで」「無料ブログで始めました」という相談から話が始まり、1〜2年後に別システムへの移行と改修で大きな出費になっているケースを、2020年以降だけでも20社近く見てきました。SEOよりも先に、CMSの構成と運用ルールでつまずいている状態です。
私自身、検証用のWordPressでプラグインを安易に入れ続けて表示速度が落ち、セキュリティアップデートのたびにサイトが真っ白になったことがあります。逆に、microCMSやHubSpot CMS、ヘッドレス構成を導入した現場では、承認フローや権限設計を後回しにした結果、誰もLPを増やせなくなり、営業から「更新依頼が通らない」と苦情が来ました。
多くの担当者は「どのCMSが良いか」から迷いますが、本当に必要なのは、予算とチーム体制、セキュリティ、移行リスクを含めた全体設計です。この記事では、私が43社の継続支援で見てきた成功と失敗の差分を、ツール名だけに振り回されない判断軸として整理しました。今の選択が数年後の負債にならないよう、検討の土台を共有したいと考えています。


